冬に気分が落ち込みやすい理由
冬が深まり、雪が降り続く灰色の空の下、太陽の光を感じられない日が続くと、理由もなく気分が沈んだり、やる気が出なくなったりすることがあります。
日照時間が短くなる冬は、体内リズムが乱れやすく、自然と省エネモードに入り、心もエネルギー不足になりがち。
過眠・過食・倦怠感といった、まるで「冬眠」のような状態になることもあります。
そんなときは無理に動こうとするよりも、冬に合った整え方が必要です。

ヒュッゲに学ぶ、冬を穏やかに過ごすための知恵
北欧には「ヒュッゲ(Hygge)」という、冬を穏やかに過ごすための知恵があります。
家族や友人と、あるいは自分ひとりで、心地よい時間を分かち合う温かな精神のあり方です。
外がどれほど寒く、どんよりとした空の日でも、家の中に柔らかな光や温かな飲み物、お気に入りのクッションやブランケット、そして「自分を慈しむ時間」があれば、心は少しずつ解放されていきます。
そんなヒュッゲの主役といえるのが、キャンドルの灯りです。
日照時間の短い北欧では、キャンドルは生活の一部として根づいており、なくてはならない存在です。
デンマークは、一人当たりのキャンドル消費量が世界でもトップクラスと言われています。
北欧の暮らしには、寒い冬を乗り越えるためのヒントがあります。
部屋の照明を少し落とし、キャンドルの炎を灯すだけで、いつもの部屋が安らぎの空間へと変わります。
炎を見つめる習慣は、単なるリラックスを超えて、私たちの心に深い安定をもたらしてくれます。

心と呼吸を整える、炎のゆらぎのリズム
キャンドルの炎は「1/fゆらぎ」と呼ばれる自然界と同じリズムを持っています。
「1/fゆらぎ」は、小川のせせらぎや木漏れ日、小鳥のさえずりなど、一定のようでわずかに変化する心地よいリズムのこと。
実は、私たちの呼吸や心拍のリズムも、この「1/fゆらぎ」を刻んでいます。
キャンドルを灯し、その炎をじっと見つめていると、炎のリズムと自分の生命のリズムが重なり、呼吸が整っていきます。
森林浴をすると、ストレスホルモンが減少し、脳内にα波(リラックスしているときに出る脳波)が増えることが知られています。
キャンドルの炎をじっと見つめる「キャンドル瞑想(トラタカ瞑想)」も、森林浴と同じように深いリラックス効果をもたらしてくれると言われています。

キャンドルを使ったセルフケアの方法
特別な準備は必要ありません。
キャンドルを灯したら、椅子でも床でも、自分が一番楽だと思える姿勢で座ります。
時間は5分程度から、心が満足するまで。
まずはゆっくりと呼吸を整えます。
まぶたの力を抜き、炎をぼんやりと眺めます。
見つめているうちに、炎が大きくなったり、ふと消えそうになったり、煙が立ち上ったりするかもしれません。
その変化に感情を合わせず、ただあるがままに見つめ、呼吸を深めていきます。
最後はそっと目を閉じ、まぶたの裏に残る温かな光の余韻を味わいながら、ゆっくりと目を休ませて終わります。

視覚から入るオレンジ色の光は、安心感を呼び起こします。
日照不足で沈みがちな気持ちに、ぬくもりを補ってくれます。
お気に入りのブランケットにくるまり、温かなハーブティーを用意して、読書や音楽鑑賞を楽しむのもおすすめです。
身体を冷やさないことも、冬を穏やかに過ごすための大切なポイントです。
あたたかい飲み物やブランケットで、身体をいたわりながら過ごしてみてください。
キャンドルの灯りに、森林浴を思わせる木の香りやラベンダーのやすらぎ、サンダルウッドやフランキンセンスの深みを添えれば、呼吸はさらに落ち着き、空間が穏やかな空気に満たされます。

安心して楽しむためのキャンドル選び
火を扱うことに少し不安がある方には、ガラスや陶器の容器に入った「コンテナキャンドル」がおすすめです。
安定感があり、ロウが流れ出たり倒れたりする心配もなく、安心して灯りを楽しめます。
ガラス容器のキャンドルは、溶け出したロウが光を反射し、炎をよりいっそう幻想的に演出してくれる効果もあります。
安心できる環境があってこそ、心からリラックスして瞑想を行なうことができます。

冬を穏やかに乗り越えるために
寒い季節は、身体を温めることも忘れずに。
あたたかい飲み物とキャンドルの灯りがあれば、それだけで心は少しゆるみます。
冬の寒さや日照不足で、少しだけ足りなくなってしまった「心の元気」を、外から補ってあげる時間も、ときには必要です。
もし気分が落ち込んでしまったときは、キャンドルを味方にしてみてください。
オレンジ色の光は、冷えた心を照らし、心と身体の緊張をほどいてくれます。

